【スマホ版】三國志2とは
『【アプリ版】三國志2』は、原作『三國志2』を題材としたリメイク作品に当たり、アプリ版の前作に当たる『三國志touch』の続編として作られた作品です。
原作における『三國志Ⅱ』では、のちのシリーズの根幹となる数々の要素が盛り込まれた意欲作であったため、それをアプリ用にリメイクした本作は昔の作品ながら現在でも十分遊べる内容となっています。
本作の特徴(評価点)
「三國志Ⅱ」をスマホで手軽に楽しめる
三國志作品はファミコンの時代から存在している長寿タイトルで、作品を重ねていくにつれ、ゲーム機の小型化に伴う携帯性の向上、映像技術の進歩など時代に沿って内容も進化してきました。
ですが、現在主流になっているスマートフォンに最適化された歴代「三國志」作品は当時(2011年時点)ほとんど存在しなかったため、前作のベースとなった「三國志」以外の作品をプレイするためには専用のゲーム機を利用するほかありませんでした。
そんな中、「三國志touch」の続編として販売された「三國志2」は、シリーズの根幹を築いた出世作である「三國志Ⅱ」をベースにしており、前作よりも、より戦略性の増したゲーム体験のできる作品となってるのが特徴です。
また前作に引き続きスマートフォンに最適化された作りとなっているため、片手での操作も可能となっています。
かつての名作が気軽にプレイ可能に
HDリマスター化や最新のプラットフォームでのリメイクなど、今ではプレイすることの難しくなった昔の名作を現在主流になっているゲーム機で再構築する動きは、昨今あらゆるゲームで見られる光景だと思います。
本作もその例に漏れず、現在ではプレイすることの難しくなった機種から新しい機種へと提供の場を移すことにより、「三國志Ⅱ」としてのゲーム性と歴史を若い世代に体験してもらうことが可能となりました。
私事ではありますが、私自身このアプリが販売されたことで「三國志2」をプレイし、リメイク元である「三國志Ⅱ」を間接的に知るきっかけとなったことからも、本作のアプリ化は意味のあるものであったと考えています。
問題点
全体的なボリュームの少なさ
本作における最大の問題であり、また避けようのない問題でもあるのがこの「ボリューム」の少なさです。
まず「武将数」ですが、本作における登場人物の数は約350名、対して最新作である「三國志13pk」における登場人数は約800人とその差は2倍以上あり、この差によって生じる問題は三国県立後の220年頃から現れはじめます。つまり、三國志を彩る武将の多くが群雄割拠の時代の武将であるため、それらの武将が多く死亡する年代あたりから急激な人手不足が発生し始めるのです。
まさに現代社会そのもののようですが、この問題は2作目のリメイクである「三國志2」においても例外ではありません。
シナリオの1つである「三国県立」では、シナリオ開始の220年時点で魏=64名、呉=39名、蜀=47名と一見十分な数であるように見えますが、魏の初期領地は16、仮に1つの領地に武将を均等に配置した場合1領地あたり3.5名と、防衛に出せる10名には程遠いものとなっています。勿論、前線に多くの武将を配置し、後方は1名のみ配置することで埋め合わせることは可能ですが、いずれにしても絶対的な武将不足は否定しきれず、それは後年になるほど顕著に現れるようになります。
この問題は最新作ではほぼ解消されるものの、2作目である本作ではいかんともしがたい問題であり、注意しておくべき内容ではあります。
視覚的な「演出」の乏しさ
近年におけるKOEI三國志の特徴として、演出を含めた各グラフィックの強化、戦闘の半リアルタイムバトル化、有名武将それぞれの個性の演出の強化など、ビジュアル面での進化があったように思います。
それは、シリーズ7作目と8作目から続く「武将プレイモード」の進化と通じるものがあり、従来までの君主として大局を見据える「シミュレーション」ゲームから、三国時代の武将の一人となり、戦乱を生き抜く「ロールプレイ」を可能とするための個性付けの一環として強化された演出でもありました。
今作では、三國志ゲームとしての基礎を築いた2作目であるために、武将個人を彩る多彩な演出はあまり見られませんでした。
ですが、
①劉備の配下である関羽は、絶対に「登用」で引き抜かれない
➁マスクデータである「野望」の値が大きい「曹操」や「馬謖」は、太守に任命した翌月以降に高確率で独立する
など、武将を個性付ける「マスクデータ」が登場したのも今作からであり、「演出」としての個性は控えめなものの、武将ごとの個性を内部データで表現することで、視覚的には捕らえれない個性を表現しているということを補足しておきます。
まとめ
今回は現在もGoogleplayやappstoreでリリースされている「三國志2」についてのレビューをしました。
現在発売されている「三國志13」のような最新作と比べると、ゲーム容量の問題からも本作における演出は乏しいと感じられるかも知れません。
またゲーム性としても、「三國志V」や「三國志Ⅸ」といった後の作品の基礎となった作品であったため、現在のものと比較して物足りないと思われる要素もあるかと思います。
三國志シリーズの立役者である「三國志Ⅱ」のリメイクを、スマートフォンで手軽にプレイできるという点で本作における価値は十分あると思いますので、気になった方はプレイされてみてはいかがでしょうか。