信長の野望 創造pkと戦国立志伝について
『信長の野望 創造pk』は2014年に発売された『信長の野望 創造』に新要素を追加したパワーアップ版であり、過去のpk版と比べてもその追加要素の多さから『信長の野望 創造2』として出すことを検討されたほどのボリュームを持つ作品です。
多くの追加要素を含みながらも完成されたゲームバランスは、信長の野望シリーズの中でも特に高い評価を得ています。
また『信長の野望 創造 戦国立志伝』は『創造pk』をベースとした実質的な続編であり、武将数の増加や既存の大名プレイに加えて武将プレイを追加した「創造」シリーズの集大成とも言われていますが、実際のところ評価はあまり芳しくないものとなっています。
今回は、それぞれの作品の違いや特筆すべき点、どちらがおすすめかを個人的にまとめてみました。個人の好みによって分かれると思われる部分については別枠として設けましたので、購入の際の参考にしていただければと思います。
信長の野望 創造pkの方が良い点
「軍団」の仕様
『創造pk』の軍団制では「重視する生産の選択」、「支援する他軍団の選択」など、ある程度の詳細な指示が可能ですが、
『戦国立志伝』での軍団制では『創造pk』にあった詳細な指示は一切無く、攻略目標と切取りの有無のみ選択可能となっています。
そのため『戦国立志伝』の軍団は思った通りの動きをしてくれないことも多々あり、より詳細な指示のできる『創造pk』のほうが、軍団制のシステムは優れていると言えます。
完成されたゲームシステム
『戦国立志伝』で追加された要素はどれも詰め込みが甘く(武将プレイ、軍団制、賢くないAI大名)、追加部分と同様に問題点もあるため、いっそない方が良いとも思えてしまいます。
そのため、良くも悪くも『戦国立志伝』で追加された新たな要素の存在しない本作の方が、ゲームとしては完成されていると言えるでしょう。
どちらとも取れない(個人の好みによる)点
創造pkの「数値だけの内政」と戦国立志伝の「箱庭内政」
『創造pk』の内政は数値だけを表示する簡素なものですが、『戦国立志伝』では実際のマップ上に内政施設の開発を行う箱庭内政に取って代わりました。
これは「武将プレイ」時に大名から与えられる「知行(領地)」の内政をより楽しむための要素として加えられたものですが、個人的には内政よりも戦争の方に面白味を感じるため、この箱庭内政は逆に面倒に感じました。
他にも比較すべき要素があるため一概には断定できませんが、箱庭内政が好きだったり内政が好きな方は『戦国立志伝』が、戦争に注力したい方は『創造pk』がおすすめと言えるでしょう。
信長の野望 創造 戦国立志伝の方が良い点
シナリオ数、武将数の多さ
『創造』から『創造pk』にかけて4本のシナリオと500人程度の武将が追加されたことで、『創造pk』の登場武将数は約1800人という歴代でもトップの武将数でしたが、
『戦国立志伝』では更に、後述する戦国時代終盤の「大坂の陣」シナリオと、それに連なる約200名の武将の追加によって、21ものシナリオ(PKとDLCのものが初期から付属)と約2000人という武将数で遊ぶことが出来ます。
これによって終盤不足しがちだった武将数にも困ることが少なくなり、ゲーム中盤では極めて多くの武将が入り乱れ、ゲームが賑やかになりました。
新シナリオ「大坂の陣」と井伊直虎
『戦国立志伝』における醍醐味の1つがこの「大坂の陣」シナリオです。
本作において大きな要素を占めているだけに、この「大坂の陣」では多くの戦国伝(条件達成による連続したイベント)と、if展開が存在しています。
「大坂の陣」に関係する主な武将(真田幸村、徳川家康等)であれば、かなり長い戦国伝を堪能できますので、それをたどるだけでも楽しめると思います。
また、大河ドラマ「おんな城主 直虎」から井伊直虎が城主のシナリオとイベントがあります。イベント内容としては短めですが、『戦国立志伝』だけのものですので紹介しました。
武将プレイ
やはり『戦国立志伝』最大のウリはこの武将プレイです。
「信長の野望シリーズ」としては初となる武将プレイモードで、発売前は新作を望まれていた『太閤立志伝V』の後釜になりうる要素ではないかと期待されていました。
ですが実際のところ『太閤立志伝V』や『三國志13PK』のような職業の幅もなく、戦国伝が存在する有名武将以外の武将で遊んだ場合、同じようなゲーム展開にしかならないため飽きが来てしまいます。
また、自国の大名のAIも賢いとは言えず、ロールプレイをするにも厳しいものがあります。
とは言っても「太閤立志伝シリーズ」の他に武将プレイが可能なシリーズも無く、「新規プレイ毎の箱庭内政(知行)」や「賢くないAI」を脳内補完できるのであれば問題ないかと思います。
結局どちらが良いのか
内政より戦争、従来型の大名プレイのみ興味があり、戦国時代末期は別になくていいという方には『創造pk』を、
箱庭内政や武将プレイ、戦国時代末期のシナリオをプレイしたいという方には『戦国立志伝』をおすすめします。
好みの問題だとは思いますが、私個人としては『創造pk』の方が好きですね。